第8章 大窪の保護池

これは大窪の池です。1999年5月のことですが、地域の人の協力でニッポンバラタナゴの保護池をつくりました。池を人の手で掘るとなると、1日中、100人かかっても身体がガタガタになるだけで、なかなか進まないのですが、ユンボでやると1発なんです。

ただユンボを入れるのが難しくて、困るのですが、ここはユンボをうまく入れてもらって掘りました。元々ここはため池だったんです。今から18年ぐらい前に大雨が降って土砂が崩れて、この辺の池は大方埋まってしまいました。元々池だったので下の粘土層がきちっと残っています。そこまで掘って、保護池をつくりました。

 

 

この図は保護池のおおまかな地図です。1番深いところは80cmぐらいです。大体こういう形の池をつくりました。横の小川から水を取込んで、ここにタナゴ100匹、ヨシノボリ100匹、ドブガイ50個入れて、この年から今の生徒たちと一緒にどう成長していくか、繁殖状況はどうか調査しています。

 

この写真はこの池でみつけた、1番始めの稚貝です。繁殖してくれました。サイズは左が27mmぐらいでした。真ん中が29mmぐらい、右が18mmぐらいでした。見つけたのは1999年7月29日です。 また、どれだけ繁殖したかというのを調査しています。ドブガイが300くらいいました。タナゴは推定ですが、ほぼ2000個体になっていました。それでこの池をもうちょっと拡大しました。今も順調に繁殖している状態です。

その時採ったドブガイでサイズが5cmから6cmの貝になっていました。

この写真は2000年3月26日に池を大きくしている様子です。でも13m×12mの池なので、そんなに大きな池ではないんです。

実際タナゴが生息している池というのはほとんど小さいのです。大きな池には繁殖していない感じなのです。この程度の池が手ごろといえば手ごろで保護するにしてもブル-ギルが入ってもその後の処理がやりやすいのですね。

大きい池だと例えば経済法科大学の自然公園にありますが、ちょっとタナゴを入れたのですが、もうブラックバスが入ったんです。経済法科大学の方は周りのいろんな水生植物のために水を抜くことを躊躇される。 それで、今のところどうしょうもないのです。

それを思うと大きいサイズの池を保護に使うと実際底樋を抜くという作業だけでも大変なことになります。ですので、大体これぐらいのサイズの池がいいとおもいます。高安でタナゴが残っている池というのは、概ねサイズが小さいです。

これは先ほどの保護池の改修工事に集まって頂いた方々です。

前へ(第7章 ドブガイの繁殖について) | 次へ(第9章 ドブガイの繁殖について)