新たな保護池候補地で生き物調査!
みなさんこんにちは、ヨコちゃんです。
今回は、地元の農家の方から研究会に「ため池を一度見てほしい」というお話を頂いたため、現地の視察と生き物調査を行わせて頂きました。
道路に面しており、石垣で作られた小さなため池です。
池の水は1反以上の田畑に利用しているとのことで、保護池として利活用出来る場合には、ニッポンバラタナゴの保護だけでなく、きんたい米や野菜の生産にも期待が持てます。
岸際には大きな木が沈んでおり、生き物の気配はありますが・・・
もんどりを沈めてみた結果は、アメリカザリガニが十数個体入るのみ。
なんだか魚はいない予感がします。
今度は岸際でタモ網を入れてみると・・・
捕れたのは大量のウシガエルのオタマジャクシです。
一同、「う~ん」と首をひねります。
しかし、諦めずに容器をよ~く覗いて見ると・・・
小さな水生昆虫がいるではありませんか!
それも一種類ではありません!大小様々な水生昆虫です!
現場では全く同定が出来なかったので、持ち帰って図鑑片手にじっくり観察してみます。
水生昆虫はとても小さく種類も多いため同定が非常に難しく、「属まで分かれば上出来」なんて言われたりも。
あーでもない、こーでもないと相当悩んだ結果・・・
それぞれ、
チビミズムシ属
コマツモムシ属
マルミズムシ属
といったところでしょうか。
水生昆虫というと、普段は「う~ん、水昆!」で済ませてしまう事が多いのですが、こうやってじっくり観察してみると、見た目も仕草もそれぞれ全く違うことに驚かされます。
一見ザリガニやウシガエルばかりのため池にも、実は多様な水生昆虫たちの世界が広がっていたのですね。
「ため池に広がる水生昆虫の世界」という、普段の保護池調査では見落としがちだった事を私達に教えてくれた今回のため池。
今後はニッポンバラタナゴを含む生物多様性の保全や地場産業の場として利活用出来るのではないかと、スタッフ一同期待しています。
しかし、そのためにはドビ流しなどの維持管理方法の確認や、侵略的な外来生物の防除など、課題は山積み。
新たな保護池の開拓は前途多難です・・・!