5月 定期調査
こんにちは!
スタッフの上地です。
5月はニッポンバラタナゴの繁殖期のピークです。ニッポンバラタナゴは生きた二枚貝のエラに産卵します。
そこで今回は、二枚貝の中にちゃんと卵が入っているかどうか調べました。
貝の中を見るときは、貝開器という器具を使ってそっと殻を開いて覗きます。
ふれあい池にはイシガイとヌマガイという2種の二枚貝が生息しています。今回は採捕したイシガイとヌマガイの中から、ランダムに20個体ずつ取り出してニッポンバラタナゴの産卵状況を調べました。
結果は、イシガイのエラの中は空っぽで、ヌマガイのエラの中にはニッポンバラタナゴの仔魚(赤ちゃん)が入っていました。例年イシガイにはほとんど入っておらず、ヌマガイにばかり産み付けられています。どうやらニッポンバラタナゴはヌマガイの方が好きみたいですね。
さらに、ドブガイの中でも大きい個体を好むらしく、小さな個体にはほとんど入っていませんでした。貝の大きさはノギスという器具を使って計測します。
ちなみにこれがイシガイで、細長く、殻が分厚いのが特徴です。また、小さいときは表面に顆粒状の彫刻があり、ゴツゴツしています。
これがドブガイで、丸みを帯び、殻が薄いのが特徴です。基本的に表面は平滑でツルツルしていますが、小さい個体には細かいシワがあります。
皆さんは見分けられますか?
調査の後は、近くのため池の整備をしました。周りが笹や葦で覆われていたので、鎌で切って綺麗にしました。この作業が意外と大変で、くたくたになりました。ため池の周りに侵入してきた雑草は、手入れをしないと、落ち葉が池に溜まってヘドロになります。また、日光をさえぎるため、植物プランクトンの光合成を阻害します。そのため、しっかり整備をしないといけないのです。
ニッポンバラタナゴを守るためには調査も大切ですが、それだけでは保全活動にはならないので、我々は多岐に渡る活動を展開しています。毎回様々な経験ができるので、結構楽しんでいます。
ではまた。